アンラーニングとは!?あえて捨てることで人はもっと育つ!!

2020.12.11

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「アンラーニング」とは

「アンラーニング(Unlearning)」とは、自分の経験上で得た知識や作り上げてきた価値観を、批判的思考によって意識的に棄て去り、白紙に戻した上で新たに学び直すことです。英語の「Unlearning」は元々、「リセットして新しい学びを得る」という意味を持ち、日本語では「学習棄却」「学びほぐし」などと訳されています。

個人や組織が置かれた激しい環境変化に適応しながら、さらなる成長を継続的に遂げるためには、いわゆる学習(ラーニング)と学習棄却(アンラーニング)という、一見相反する二種類の学びのプロセスを交互に繰り返し、絶えず回していくことが欠かせない要素となるのです。現代のビジネスシーンでは、アンラーニングを意識的に行い、時代のスピードに合わせて柔軟に変化してゆく必要性が高まっているのです。

従来の人材育成手法における限界

人材育成の現場ではこれまで、企業における学び、あるいは教育のあり方として、いわゆる「熟達化」のアプローチが浸透していました。企業の経営理念や価値観、組織が培ってきた知識やスキルを研修などによって習得するだけでなく、実践を伴う実務への参加を通じて仕事に熟達してゆく――現場での実践的な学びこそが個人を成長させ、組織の競争力を高めるという考え方が主流になっていたのです。それは、未熟な新入社員や経験の乏しい若手社員を、組織の一員として“一人前”に育成していくプロセスに他なりません。

では、“一人前になった後の学び”についてはどうでしょうか。日本では「学習とは、未熟な者が足りない知識を補うこと」のイメージが強いからでしょうか、企業の人事担当者の関心も、「若手の学び」「部下の学び」といった概念に重きを置く傾向があります。けれども、仕事に熟達し、組織のメンバーとして一人前に成長した中堅社員や優秀な部下を持つ立場になった上司が、これから先、何をどのように学んでゆくべきか。残念なことに、この課題については、まだ真剣に検討されていないのが現状です。一人前に育て上がってから以降の学び、すなわち「大人の学び」を企業としてどのように支援していくべきなのか。これについても、次世代リーダーの育成や後継者育成などといった実践の事例はあるものの、その対象はごく限られた範囲の人材にしか行われていないのが現状なのです。

学びへの過信とリスク

前述の通り、一人前の大人になっても、学ぶ必要がなくなるわけではありません。学びとは本来、自ら率先して変遷し続けるための営みであり、まして現代におけるビジネス環境のように、目まぐるしい変化や想定外の事態が度々発生し、それが不定期に繰り返される状況下では尚更、「一人前であること」の屋台骨が揺らぐリスクさえも否定できないのです。

例えば、長年の経験によって熟達したスキルがある日突然、時代遅れになることも考えられます。あるいはAIやDX化によって、そのスキル自体がスキルと呼ばれなくなる日がやってくるかもしれません。また、熟達化という概念そのものが環境適応への足かせとなり、重要な業務における致命的な判断ミスを招く恐れもあります。過去の成功体験にこだわって、熟達すること自体の優位性を強く意識し過ぎた結果、自分が追求してきた価値観や考え方、行動パターンがすでに通用しなくなっていることに気づくのが遅れてしまうのです。

アンラーニングを行う必要性

このリスク管理がまさに、「アンラーニング」の発想に注目が集まる要因なのです。特定の分野や方向性に固執し、ひたすら熟達化を追い求めて邁進するのではなく、むしろ、熟達を求めるあまり硬直化が進んでしまった自らの思考様式や行動様式をいかに解きほぐせるか、ということがカギとなります。「学びほぐし」「学習棄却」の視点が、現代のビジネスに必要な、一人前の大人になってから以降の学びへとつながっていく、重要なポイントであると考えられています。

これまでずっと当たり前であった知識や価値観といった既存の概念をアンラーニングするためには、自分自身の置かれている状況や、これまでに行ってきたことを批判的に振り返る「リフレクション(内省)」のプロセスが欠かせません。自分は果たして仕事を「正しく行っているのか」を振り返るのではなく、仕事において「正しいことを行っているのか」を、一旦職場や日常業務から離れた上で、冷静に問い直してみる機会が求められているのです。

 

用語解説一覧

【経営層向け】
・学習する組織とは?
https://weport.jp/column/learningorganization/
・ミッションステートメントとは?
https://weport.jp/column/mission/
・組織の成功循環モデルとは?
https://weport.jp/column/coretheoryofsuccess/
・組織の7Sとは?
https://weport.jp/column/sevens/
・トータルリワードとは?
https://weport.jp/column/totalreward/
・オープン・ブックマネジメントとは?
https://weport.jp/column/obm/
・コンフリクトマネジメントとは?
https://weport.jp/column/conflictmanagement/
・AQ:逆境指数とは?
https://weport.jp/column/aq/
・EQ:こころの知能指数とは?
https://weport.jp/column/eq/
・SQ:社会的知数とは?
https://weport.jp/column/sq/

 

【マネジャー向け】
・コンピテンシーとは?
https://weport.jp/column/competency/
・リーダーシップとは?
https://weport.jp/column/leadership/
・マインドセットとは?
https://weport.jp/column/mindset/
・OJTとは?
https://weport.jp/column/ojt/
・コーチングとは?
https://weport.jp/column/coaching/
・マズローの欲求5段階とは?
https://weport.jp/column/maslow/
・X理論、Y理論とは?
https://weport.jp/column/xy/
・モチベーション理論とは?
https://weport.jp/column/motivation/
・水平的(360度)評価とは?
https://weport.jp/column/suiheihyouka/
・ピグマリオン効果とは?
https://weport.jp/column/pygmalion/
・レシプロシティとは?
https://weport.jp/column/reciprocity/
・メラビアンの法則とは?
https://weport.jp/column/mefrabian/
・アンラーニングとは?
https://weport.jp/column/unlearning/

 

【人事担当者向け】
・研修講師を評価するスキルとは?
https://weport.jp/column/kousicheck/
・キャリアラダーとは?
https://weport.jp/column/rader/
・キャリアプラトーとは?
https://weport.jp/column/plato/
・キャリアドリフトとは?
https://weport.jp/column/drift/
・キャリアアンカーとは?
https://weport.jp/column/anker/
・感情労働とは?
https://weport.jp/column/emotionallabour/
・経験学習とは?
https://weport.jp/column/kolb/
・計画された偶発性理論とは?
https://weport.jp/column/planned-happenstance-theory/
・交換留職
https://weport.jp/column/koukan/
・組織社会化とは?
https://weport.jp/column/socialpro/
・認知的徒弟制度とは?
https://weport.jp/column/cognitive-apprenticeship/
・職能給と職務給とは?
https://weport.jp/column/syokunoutosyokumu/
・ロールモデルとは?
https://weport.jp/column/rolemodel/
・ワークプレイスメントとは?
https://weport.jp/column/workplacement/
・ARCSモデルとは?
https://weport.jp/column/arcs/
・インシデントプロセス法とは?
https://weport.jp/column/incident/
・エニアグラムとは?
https://weport.jp/column/enneagram/
・オープン・スペース・テクノロジーとは?
https://weport.jp/column/ost/
・ソーシャルラーニングとは?
https://weport.jp/column/sociallearning/
・ダイアログ・イン・ザ・ダークとは?
https://weport.jp/column/dialogueinthedark/