ピグマリオン効果とは!?人材育成は期待を伝えることから始める!!

2021.01.19

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「ピグマリオン効果」とは

「ピグマリオン効果」(Pygmalion effect)とは、「人は他者に期待されれば期待されるほど意欲が引き出されて、その結果、成績が向上する」という状況を示す教育心理学の法則のひとつです。

ピグマリオンの由来は、ギリシャ神話に登場する彫刻家の名前です。キプロス島のピグマリオンが、自分で彫った象牙の女性像を愛し続けた結果、彫像が本物の人間の女性になったというギリシャ神話にちなんでピグマリオン効果と名づけられました。「教師期待効果」あるいは「ローゼンタール効果」とも呼ばれます。

ピグマリオンの物語は、イギリスの劇作家バーナード・ショーの戯曲「ピグマリオン」として再現され、有名な映画「マイ・フェア・レディ」の下敷きにもなりました。教育によって下町の花売り娘からレディへと成長していく主人公イライザの台詞に、「レディと花売り娘の違いはどう振る舞うかではなく、どう扱われるかにあるのです」という言葉があり、ここにピグマリオン効果の本質がよく表れています。

ピグマリオン効果の実証事例

ピグマリオン効果は、アメリカの教育心理学者ロバート・ローゼンタールが1963~64年にかけて行った実験によって実証されました。博士はある小学校で、特別な「学習能力予測テスト」と称して知能テストを実施しました。

実際はごく一般的な知能テストであるにもかかわらず、担任の教師に対して「このテストの結果次第で、今後成績が伸びる生徒とそうでない生徒が分かる」と説明し、テストを受けた生徒たちの中から、彼ら結果とはまったく関係なしにランダムな方法で数名の生徒を選び、担任に「今後成績が伸びるのは、この生徒たちである」と伝えたのです。担任は博士の仮説を信じて、その子供たちの成績が伸びることを期待しながら指導を続けました。すると、本当にその生徒たちの成績が飛躍的に向上したのです。

この実験から、期待と成果の相関関係について、「人は期待されたとおりの成果を出す傾向がある」という結論が導かれました。なぜ選ばれた生徒たちの成績が伸びたのか―ローゼンタール博士はその要因として「担任が生徒たちに対し、期待していると意思表示したこと」によって生徒たちが意識するようになり「生徒たちも自分が期待されていると感じとったこと」を挙げています。つまり、適度な期待は相手のやる気を引き出すきっかけとなり、その結果、期待に応える成果を挙げられることが実証されたのです。

ピグマリオン・マネジメント

上記の実験結果を受けて、元ハーバード・ビジネススクール教授のJ・スターリング・リビングストン(J. Sterling Livingston)によって提唱されたのが「ピグマリオン・マネジメント」です。周囲の期待や働きかけが人間の行動に与える影響力に着目し、企業の人材マネジメントにも活用することができると考えました。ピグマリオン効果による動機づけについて、リビングストンが主張している基本的な考え方は次の通りです。

(1) マネジャーが部下に何を期待し、部下をどのように扱うかによって、部下が達成する業績と将来の昇進はほとんど決まることになります。

(2) 優れたマネジャーは、「業績を挙げ、目標を達成できる」という期待感を部下に抱かせる能力を持っています。

(3) 無能なマネジャーは、部下に上記(2)のような期待感を与えることができず、部下の生産性も向上しません。

(4) 部下は、自分に期待されていることしか実施しようとしない傾向が強くあります。

人材育成におけるピグマリオン効果

実際、人材育成の現場でピグマリオン効果を実感する例は少なくありません。上司から期待されている部下は、そうでない部下に比べてより良い結果を出す上に、成長の速度も早いことが経験値として知られています。期待している部下に対しては、上司もコミュニケーションを密に取り、その際に直接ノウハウを授けたり、的確なアドバイスを与えたりするため、部下はこれに応えようとモチベーションが高まるのです。ただし、期待のかけ過ぎは逆効果にもなり得ます。部下の状況や能力を見極め、達成可能な期待を設定して部下と共有することが大切になってくるのです。

優秀な上司は、まず第一に、自ら部下を選抜して、訓練を重ね、動機づけを与えられるスキルを持っています。

部下をどのように信頼して、どの部分に期待するべきであるのか、またどのような教育をすれば伸びるのか、といった課題は、上司がいかに自分自身に向き合ってスキルを磨いてきたかに左右されます。

 

用語解説一覧

【経営層向け】
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