感情労働とは!?その仕事、人を燃え尽きさせていませんか!!

2021.01.19

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「感情労働」とは

「感情労働」(Emotional Labour)とは、アメリカの社会学者A.R.ホックシールド(Arlie R.Hochschild)が提唱した働き方の概念であり、感情の抑制や鈍麻(どんま)、緊張、忍耐などを不可欠の職務要素として、精神と感情の協調作業を基調に行う労働のことを指しています。肉体労働・頭脳労働と並ぶ労働の分類の一種です。

体力を使って対価を得る「肉体労働」やアイデアなどを提供する「頭脳労働」に対して、感情労働に従事する人は、常に自分の感情をコントロールしながら、顧客や患者といった相手に合わせた言葉や態度でポジティブな働きかけを行い、応対することが求められます。ホックシールドによると、感情労働は「相手に感謝や安心の気持ちを喚起させるような、公的に観察可能な表情や身体的表現をつくるために行う感情の管理」と定義されています。

感情労働の概要

肉体労働か頭脳労働かという単純な二者択一で考えると、従来、感情労働は頭脳労働の一種と見なされてきました。けれども、一般的な頭脳労働に比べると、人間の感情面に労働の負荷が大きくかかりやすく、労働が終わった後でも「充足感や達成感を得にくい」「気が抜けず、精神的なストレスやプレッシャーを抱え続けなければならない」といった連日に及ぶ精神的負担、重圧、ストレスを負わなければならない点が、感情労働の特徴です。企業や労働者にとって、事前に作業量の予測や計画を立てることがはなはだしく困難であり、作業習熟による労働効率の向上があまり期待できない点において、肉体労働や頭脳労働と決定的に異なると言えます。

感情労働に従事する人は、たえず相手の要求や主張、クレームを受け止める役割を担い、相手の一方的な誤解や失念、無礼や悪意を伴う嫌がらせであっても真摯に対応せねばなりません。そして例えその言い分が理不尽なものでも、自己の感情を押し殺す厳しい自制心をもって、表面的には決して見せず、常に礼儀正しく振舞い、相手の言い分をじっくりと傾聴して、穏便かつ的確な対応やサービスを提供しなければなりません。

感情労働の職種

感情労働に従事する職種として、かつては旅客機の客室乗務員が典型とされていました。現代では看護師などの医療職、介護士などの介護職、コールセンターのヘルプデスク、官公庁や企業の広報、苦情処理、顧客対応セクション、マスメディアの読者や視聴者応答部門などが幅広く注目されるようになってきています。それに加えて、秘書、受付係、電話オペレーター、百貨店のエレベーター係、ホテルのドアマン、銀行店舗の案内係などのサービス業も感情労働に該当します。感情労働を広義の意味で捉える場合、例えば企業の営業職もその範疇に該当するでしょう。と言うのも、絶えずクライアントに接する際に感情のコントロールが求められるからです。

産業構造のサービス化が進む中で、主にパソコンと向き合うIT業務でも、その先にいる顧客との接点が増えており、近年はどのような仕事であれ感情労働的な要素を含むようになってきたと言われています。業務に関わる従事者本人を含めて、人材に関与するという観点から見れば、企業の人事や総務担当も例外ではありません。実際のところ、こぞって顧客満足度を競うあまり、感情労働を強いられる仕事や職種が増えてきたのは事実なのです。

感情労働におけるメンタルケアの課題

サービス業のプロは、感情のコントロールを自らの仕事として明確に意識し、日々前向きにその術を磨いてこそ、最高のサービスが提供できます。一方で、肉体労働や頭脳労働の疲労は休憩時間や休暇取得によってほぼ回復されますが、感情労働による感情の疲労や心の傷などは単なる休みで回復するのは困難です。終業後も、相手から投げつけられた悪口や罵倒などが頭を離れず、気持ちの切り替えができないまま帰宅し、ストレスによるメンタルヘルスの不調を発するケースも実際にあります。

対人サービス業に従事する人が陥りやすいバーンアウト(燃え尽き症候群)も、過剰な感情労働の影響が大きいと言われています。相手に対する不満や怒りといった、ごく自然な感情をあまりにも抑えつけ過ぎて、感情的なエネルギーが枯渇し、燃え尽きてしまうのです。

企業としてより良いサービスを追求するには、従業員がそうなる前に、感情面のケアも必要となってくるでしょう。従事者本人も、自己の感情を保護するために、仕事とプライベートにはっきり線引きをして、仕事上ではあるべき理想像にこだわり過ぎず、気持ちを切り替える術を身に付けて挑むことが重要になってきます。

 

用語解説一覧

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