オープンブック・マネジメントとは!?不透明は経営を行うリスク!!

2020.12.29

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オープンブック・マネジメントとは

オープンブック・マネジメント(Open Book Management)は、20世紀末に提唱された経営手法の一つです。この中で“ブック”は、企業の会計帳簿や財務諸表、業績管理指標を意味しています。すなわち「オープンブック・マネジメント」とは、自社のあらゆる経営指標をすべての従業員に開示(オープン)し、経営の透明性を高めることによって、従業員の自律性や組織のモラールを最大限に高めた上で、全員参加型の経営を行っていくマネジメント手法を指しています。“Open Book Management”の頭文字を取って“OBM”とも略されます。

オープンブック・マネジメントを広く世に知らしめたのは、マネジメント・ライターのジョン・ケース(John Case)氏です。2001年には日本でも著書「オープンブック・マネジメント―経営数字の共有がプロフェッショナルを育てる」(ダイヤモンド社)が刊行され、その理論と実践について知られるようになりました。

現代のマネジメントにおける課題

オープンブック・マネジメントが注目されるようになった背景には、ビジネス環境が急激に変化する昨今、経営者がトップダウン型のマネジメントを行い、一方で従業員は与えられた仕事をこなせば十分といった考え方では、期待するような成果が出せなくなってきた実情があります。

現場で働く誰もが、市場の変化に対応した業務改革や組織改革が必要性を感じていながらも、なかなか成果が見えてこない職場には、マネジメント側と従業員側の間で課題に対する齟齬が生じている場合が多く見られます。それが疑心暗鬼や他責(問題を他者のせいにすること)につながっているのです。

経営側が「従業員は危機感や当事者意識が薄い」と不満を露わにする一方で、上からはっぱをかけられた従業員側は「業績が悪いのは経営に問題があるからだ」「本当は自分たちの給料がもっと上がってもいいのではないか」と不信感を募らせてゆきます。このように双方が不満や不信を抱く状況が起これば、組織のモラルが高まるどころか、改革を行ってビジネス競争に勝ち抜いていくことが困難になるのです。

オープンブック・マネジメントの効果

そこで、経営側が持つ財務情報を現場に公開し、自社の業績や経営の実態、課題を全員で共有しようというのがオープンブック・マネジメントの考え方です。特に、非上場企業の従業員にとって、自社の経営状況で把握できる情報はせいぜい売上高程度であり、通常は細かい数字を知ることができません。けれども、財務情報が公開されて、その数字の意味がわかるようになれば、従業員は自分の仕事の意義や自社の戦略について正しく理解し、現場主導の業務改善が進められたりイノベーションが積極的に導かれたりする可能性が期待できます。

また、社員を単なる言葉通りの与えられた業務に従事するだけの“従業員”としてではなく、責任あるビジネスパーソンとして経営者が見ることができるなら、自社の業績や経営の実態に社員が関心を持ってくれることは、本来、大いに歓迎すべきことです。社員一人ひとりが、経営者と同じマネジメントの視点を持ち、自ら行動できるような自律性の高い組織になってこそ、変化の激しい現代を生き抜いてゆく組織力を蓄えられるのです。実際に、この手法は1990年代前半、不況にあえいでいたアメリカの中堅企業の経営現場で芽生えたものです。その後、現場主導による改善やイノベーションを促す効果が徐々に大企業や一流企業にまで浸透し、注目されるようになっていきました。

オープンブック・マネジメントを成功させる

先述のジョン・ケース氏は、オープンブック・マネジメントを成功に導くための原則として、まずは徹底した情報公開であると述べています。ただ、業績をオープンにする「だけ」では効果は得られません。それに加えて、以下の四つの要素が、オープンブック・マネジメントを成功させる条件と言われています。

  • ビジネスリテラシーの向上:公開した財務諸表に示されている数字の意味を、社員が理解できるように教育・研修を実施すること
  • 責務、関わり合い:自社の業績へのコミットメント
  • エンパワーメント:上記コミットメントを高めるために現場への権限委譲を進めること
  • 成功報酬:従業員持ち株制度などのしくみを活用して成果の公正な分配をルール化すること

従業員への権限委譲を進めることや、成果の公平な配分制度を設けることは、経営陣、管理職だけでなく、現場の従業員も自社の業績を考えながら仕事をすることが求められる時代、経営と現場の乖離を縮める効果的な手法の一つなのです。

 

用語解説一覧

【経営層向け】
・学習する組織とは?
https://weport.jp/column/learningorganization/
・ミッションステートメントとは?
https://weport.jp/column/mission/
・組織の成功循環モデルとは?
https://weport.jp/column/coretheoryofsuccess/
・組織の7Sとは?
https://weport.jp/column/sevens/
・トータルリワードとは?
https://weport.jp/column/totalreward/
・オープン・ブックマネジメントとは?
https://weport.jp/column/obm/
・コンフリクトマネジメントとは?
https://weport.jp/column/conflictmanagement/
・AQ:逆境指数とは?
https://weport.jp/column/aq/
・EQ:こころの知能指数とは?
https://weport.jp/column/eq/
・SQ:社会的知数とは?
https://weport.jp/column/sq/

 

【マネジャー向け】
・コンピテンシーとは?
https://weport.jp/column/competency/
・リーダーシップとは?
https://weport.jp/column/leadership/
・マインドセットとは?
https://weport.jp/column/mindset/
・OJTとは?
https://weport.jp/column/ojt/
・コーチングとは?
https://weport.jp/column/coaching/
・マズローの欲求5段階とは?
https://weport.jp/column/maslow/
・X理論、Y理論とは?
https://weport.jp/column/xy/
・モチベーション理論とは?
https://weport.jp/column/motivation/
・水平的(360度)評価とは?
https://weport.jp/column/suiheihyouka/
・ピグマリオン効果とは?
https://weport.jp/column/pygmalion/
・レシプロシティとは?
https://weport.jp/column/reciprocity/
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・アンラーニングとは?
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【人事担当者向け】
・研修講師を評価するスキルとは?
https://weport.jp/column/kousicheck/
・キャリアラダーとは?
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・キャリアプラトーとは?
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