水平的評価(360度評価)とは!?管理職以上の人材育成に活用できる!!

2020.11.11

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水平的評価とは

多くの企業では、部下の指導監督にあたる直属の上司がタテの関係で人事評価を行います。これを「垂直的評価」と言うのに対して、組織内で同等の階層に属する従業員が、評価者と被評価者になって相互に評価し合うヨコの関係を「水平的評価」と言います。「水平的評価」は人事の考課方式として単独で用いられることは少なく、導入している企業では、垂直的評価を補完する目的で、一人の被評価者を直属の上司だけでなく複数の視点から評価する多面的評価(他部署や顧客からの評価まで含んだ360度評価)の一環として実施されています。

「水平的評価」の狙い

成果主義の浸透によって、評価を下す側の会社にとっても、評価を下される側の社員にとっても評価の“重み”は格段に増しました。組織における評価手法としては、上司が部下を見る形の垂直的評価が主流ですが、その補完として水平的評価や360度評価が使われるのは、特定の立場の評価者によって一方的に評価を下すだけでは偏りが避けられないためであり、客観性や妥当性を担保して評価精度を高めることが最大のねらいです。

「水平的評価」が単独利用されない理由

まず、評価者と被評価者の業務上での関与が断片的であると、互いの適切な評価に繋がりにくいということがあります。そうなると、水平的評価の仕組み自体が持つ、被評価者の育成や上司をマネジメントするという目的の達成に支障をきたす可能性が出てきます。

また、垂直的評価の補完という観点からは、タテの関係で把握出来ていない業務上の成果をヨコの同等な立場で評価することになるため、被評価者に対して、評価者の対象範囲を明らかにすることが求められます。なぜなら、被評価者自身の業務に全く関与していない人間を評価することによる評価エラーを防ぐ必要があるからです。水平的評価とは、単独で利用されるものではなく、垂直的評価や多面的評価の一端を担うことによって初めてその意義が見いだされる評価手法なのです。

「水平的評価」のメリット

多くの企業で組織のフラット化が進んだ結果、プレイングマネジャーの数が増加しました。上司一人に対してマネジメントしなければならない部下の人数も多くなり、個々の仕事内容に細かく目を配ることが次第に困難になっています。そこで、上司が把握し切れていない部下の業務上のパフォーマンスや組織への貢献度などを、正確に評価へと反映させるために、“上”からだけでなく、評価対象者の同僚や部下からのフィードバックも盛り込む手法、すなわち水平的評価を含めた多面的評価が用いられるようになってきました。

また、そもそも多面的なフィードバックは、評価よりも人材育成を目的として利用されてきました。周囲からの複数の視点を組み合わせることにより、上司だけでは気づきにくい被評価者の潜在的な強みや適性などを把握し、能力開発に活かすツールとして効果を発揮してきたのです。それが現在では、上述の必要性から人事考課においても活用され、実績面の評価に対しても利用されるようになりました。

「水平的評価」活用における注意点

能力開発で使う分には有効であった多面的評価を人事考課に導入する場合、適切な制度設計や運用を欠くと、それは組織のアキレス腱にもなりかねません。とりわけ水平的評価で「同僚からのフィードバック」が互いの昇給・昇進を左右しかねないような状況下では、評価者と被評価者の両者ともに一種の疑心暗鬼に陥り、評価制度そのものへの不満や不信が高まりやすくなるのです。公正に評価するどころか、談合や裏取引、悪意をもって同僚の足を引っ張るなどの不正行為が発生し、かえって職場のモラルや人間関係を阻害する危険性さえあると考えられます。

「水平的評価」を円滑に行う方法

では、従業員同士が客観的に評価し合う難しさをどのように克服すれば良いのでしょうか。評価とは本来、各個人の報酬に差をつけるためではなく、組織全体を強くするために行われるものです。水平的評価や多面的評価から最大限の成果を得るためには、そうした評価の目的をしっかりと従業員に明示し、当事者として意識的にその目的を共有させることがまず大前提となります。その上で、各企業の組織文化に即した明確な評価基準を設定したり、不正対策を講じたり、あるいは評価のためのトレーニングを広く徹底したりするなど、「水平的評価」の導入および運用に際しては十分な配慮が求められます。

 

用語解説一覧

【経営層向け】
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・ミッションステートメントとは?
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【マネジャー向け】
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【人事担当者向け】
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