エニアグラムとは!?人間関係に効く性格診断!

2020.12.28

エニアグラム(enneagram)とは

(画像は弊社人材開発用語集より抜粋)

エニアグラム(enneagram)という言葉の起源はギリシャ語で、エニア(ennea)は「9」を、グラム(gram)は「図」を意味しています。9つの点をもった円とそれをつなぐ線からできており、円周を九等分して作図される特定の幾何学図形です。
この図の起源は、スーフィー(イスラム神秘主義)に由来するもの、古代ギリシアの哲学者が宇宙の原理を説明するために用いたもの、あるいは古代エジプト、また或いは古代中国に発祥するものなどと諸説があります。「宇宙万物の本質を表す象徴」と呼ばれています。

昨今、急速に歩みを進めた心理学的研究とともに発展し、このエニアグラムが性格論との関係において利用されることが多くなり、人間の性格を9種類に分類したエニアグラム、またはそれに基づく性格論を指すようになりました。言わば、9つそれぞれの性格の働きを描いた「心の地図」と言うことができます。現在では、最も効果的な自己成長のシステムの一つとして、ビジネス、コーチング、カウンセリング、教育などの様々な分野で取り入れられています。

エニアグラムの性格論の歴史

性格論との関係でエニアグラムが利用されるようになったのは、1960年代のことでした。これを最初に試みたのは、ボリビアの神秘学者オスカー・イチャーソ(Oscar Ichazo)であったと言われています。のちにイエズス会の賛同を背景に、主にクリスチャンの心理学者がアメリカなどでこれを一般に広めました。1970年代から精神医学や心理学の研究者が注目して研究を重ね、理論を発展させ続けています。エニアグラムが日本に紹介されたのは1980年代末のことであり、現在では、新しい人間学および心理学として世界各国に広がっています。

9つの性格タイプ

(画像は弊社人材開発用語集より抜粋)

性格論としてのエニアグラムはよく占いと比較されますが、エニアグラムを使った性格分析では、パーソナリティの核になる部分にスポットを当てて、自己認識と他者の多様性受容のためのツールとして使われることが多いです。9つの類型に分類されたカテゴリは一般的に、性格の傾向を知る指針として利用されています。これを性格類型論と呼びます。

類型論では、似ている性格をいくつかのタイプにくくり、人の性格全体を網羅的に捉えようとします。特性論が、例えば社交性や積極性といった人の特徴的な特性を、数量的に把握するので客観化しやすい利点を持つ一方、類型論では数量的、解析的に説明しづらいところがあります。しかしながら類型論は、あるひとりの人の性格の特徴を全体像として説明できるため、わかりやすく把握しやすいという利点があります。

それでは、9類型のそれぞれがどのような傾向のタイプであるのか、以下イチャーソの分類を見ていきましょう。

タイプ 1 : 改革する人・完璧主義者・怒りっぽい人(Reformer/Perfectionist/Resentment)

仕事を合理的に整然とプログラム通り行うタイプ。

タイプ 2 : 人を助ける人・モノをあげたがる人・取り入るのが上手な人 (Helper/Giver/Flatterer)

人間関係を大事に、ルールを重んじ、同僚や部下のことを大切にするタイプ。

タイプ 3 : 達成する人・前進する人・地位を追求する人(Performer/Go/Status seeker)

ビジネスライクに成功志向で目標に向かって効率的に歩みを進めるタイプ。

タイプ 4 : 芸術家・悲劇的なロマンチスト・憂鬱な人(Artist/Tragic romanticist/Melanchory)

繊細で感情豊かであり、組織内では個性的過ぎる傾向のタイプ。

タイプ 5 : 考える人・観察者・皮肉を言う人(Thinker/Observer/Stinge)

物事をよく観察して調べ、知識を蓄え、物事を客観的に捉えられるタイプ。

タイプ 6 : 忠実な人・何でも反対する人・臆病な人(Loyalist/Devil’s advocate/Coward)

組織を守って、それを活かせる忠実なタイプ。

タイプ 7 : 計画する人・ゼネラリスト・快楽主義者 (Planner/Generalist/Epicure)

組織内では楽しく仕事をこなせる、熱中タイプ。

タイプ 8 : 指導者・親分・報復する人(Leader/Boss/Venge)

組織は自分が力強く引っ張って行くという挑戦するタイプ。

タイプ 9 : 平和主義者・調停者・怠惰な人(Peacemaker/The Mediater/Indolent)

おだやかで波風を立てず控えめなタイプ。

エニアグラムの効果

自己成長という点において、自分および他人をよく理解することで生まれる安定感や自信、適応性、洞察力、コミュニケーション能力、先見性等をもたらす効果があります。それを踏まえた上で、性格のタイプごとに分類すれば、コミュニケーション方法や仕事のやり方、リーダーシップのスタイルが明らかになり、相互理解が生まれ、業務におけるチームワーク力が向上します。職場内の信頼関係が構築されることで、困難な状況をともに乗り越え、目標に向かうことに集中し、その結果、組織に利益をもたらします。エニアグラムは、リーダーシップの授業やコーチング研修等で多く活用されています。

用語解説一覧

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