組織の成功循環モデルとは!?業績を上げるには関係性を改善!!

2020.11.19

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「組織の成功循環モデル」とは

組織の成功循環モデル(Core Theory of Success)とは、マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授(Daniel Kim)が提唱している理論です。組織が成果を上げ続け、成功に向かう過程及び仕組みを明らかにしました。

成功の循環では、組織に所属するメンバー間の相互の「関係の質」が高まると、思考の質が高まり、それが行動の質に繋がって良い結果を生み出し、それによってメンバー相互間の信頼が深まり、さらに関係の質が向上するという循環のことです。この好循環が成功への原動力を高め、組織に持続的な成長をもたらすとダニエル・キム教授は指摘しています。

尚、「組織の成功循環モデル」には、好循環(グッドサイクル)と悪循環(バッドサイクル)の二種類があります。以下、その両方を見ていきましょう。

組織の好循環(グッドサイクル)

好循環が作られるのは、具体的に以下のような場合です。

①関係の質:チームの関係性が良く、風通しが良い、相談しやすいといった心理的安全性が高く、お互いに認め合っている状態。

②思考の質:関係性が良いお陰で、対話を通して良いアイデアが沸いたり、自然とお互いを助け合う思考が生まれる状態。

③行動の質:上記の思考に沿って行動するため、結果として新たな挑戦や、助け合いといった積極的かつ効果的な行動が生まれる状態。

④結果の質:質の高い行動によって、売上や利益、顧客満足度などの結果が向上する状態。

⑤さらにチームの関係が良くなる、という流れが循環する状態。

グッドサイクルの特徴は、「関係の質」を高めるところから始めていることです。メンバーの相互理解を深め、お互いを尊重し、一緒に考えると、気づきや面白さを感じることが出来るので、「思考の質」が向上します。そして面白いと感じることで、メンバー自らが自発的に考えて積極的に行動を起こすようになり、「行動の質」も向上します。その結果、「結果の質」が高まって成果が得られ、その実績が再びメンバーの信頼関係を強化するため、「関係の質」がさらに向上してゆくというサイクルになっています。

組織の悪循環(バッドサイクル)

一方で、「結果の質」起点とするのがバッドサイクルです。結果だけを追い求め、目先の数字を向上させることのみに執着し、けれども思うように成果が出ない場合、以下の悪循環に陥ります。

①結果の質:売上や成績が下がる状態。

②関係の質:上司と部下の間や、部門間の関係が悪化する状態。

③思考の質:責任のなすり合いや、失敗を恐れる思考になる状態。

④行動の質:部分最適の行動や消極的な行動が生まれる状態。

⑤結果の質:さらに売上や成績が下がるという流れとなる。

多くの会社では、この悪循環を解消するために「結果の質」から逆回りに改善を試みます。「結果の質」が低下すると、それを何とか向上しようとするあまり、押しつけやパワハラめいた指示・命令が横行し、社員の行動統制が始まります。例えば、営業であれば強化営業訪問先一覧を改めて策定し、日々の報告を課します。心理的安全が確保されず「関係の質」が悪化し、メンバーは仕事を面白いと感じられなくなり、自ら考える事を止めて受け身になってしまい、「思考の質」が「どうせやっても無理だ」というあきらめの状態に低下します。そうなるともはや自発的・積極的に行動しなくなり、「行動の質」の低下につながり、成果が出ません。つまり、さらなる「結果の質」を招いている状態です。

例えば、焦りを感じている経営者は、メンバーの「思考の質」を上げようと強制参加の研修や合宿を行いますが、大抵の場合その前段階の「関係の質」において、経営者との人間関係や部門間の関係がすでに悪化しているので、相手の話に聞く耳を持たず、思考も変わらず全ての質の低下を招きかねないのです。停滞している企業は、こうした悪循環に陥っていることがよくあります。

好循環をもたらすには

好循環をもたらすためには、「結果の質」から一番遠い「関係の質」を起点として改善していくことが、実は遠回りのように見えて、「結果の質」を上げる近道であるとダニエル・キムは論じています。

小さな日々の積み重ねである上司と部下の関係性、部下に対してどのような言葉をかければ良いのか、どんな時に相談に乗れば良いのか、どんな指示やアドバイスをすれば良いのか、といったことを丁寧に考え、行動に移してゆくことが結果として、企業経営を中長期視野で見た時に、組織として成果を上げる成功モデルとなるのです。

 

用語解説一覧

【経営層向け】
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【マネジャー向け】
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【人事担当者向け】
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