オープン・スペース・テクノロジーとは!?雑談から生まれる問題解決!!

2020.12.28

オープン・スペース・テクノロジー(OST)とは

(画像は弊社人材開発用語集より抜粋)

オープン・スペース・テクノロジー(OST)は、1985年にハリソン・オーウェン氏(Harrison Owen)によって提唱されました。参加者自身が解決したい問題や議論したい課題を提示した上で、進行の段取りも自主的に決めるといった、主体性を重んじることで参加者のコミットメントを最大に引き出すところが特徴的です。また、参加人数の多少にかかわらず、生産的かつ創造的なミーティングや会議をすることができ、意思形成を促すことが出来ます。企業や各部門のビジョンを考えたり、職場の構造的な課題を解決したりといった長期的なテーマの話し合いに有効とされています。OSTは、ポジティブ・アプローチによる問題解決との言われています。

ポジティブ・アプローチとは

問題解決法には、現状抱えている課題や将来のあるべき姿を明確にした上で、論理解析を行ってそのギャップを解決していく方法と、漠然としたものの中から本質を掴み出して解決する方法があります。後者の代表的なものが「ポジティブ・アプローチ」と言われる方法です。「ポジティブ・アプローチ」では、組織や人間の強みや価値といった部分に焦点を当てて、その強みを連携させて生み出すことでより高い成果を実現したり、また、人々の抱く夢や組織の今後におけるありたい姿を描くことにより、目的・目標・アクションプランを導き出すアプローチを行います。ポジティブ・アプローチには、OST(オープン・スペース・テクノロジー)以外にも、ワールドカフェ、AI(アプリシエイティブ・インクワイアリー)、アクションラーニングといった様々な手法があります。

雑談や休憩の合間の会話の効果

長時間会議を行っている間に、一番話題が盛り上がったのは、実は気晴らしにした雑談(コーヒーブレイク)の時間であったという経験は誰しもあると思います。議題や議事進行手順が綿密に組まれた会議より、むしろリラックスした時間にふと誰かが口にした話題の方が関心を集め、本音の話し合いにつながったりします。オープン・スペース・テクノロジーは “コーヒーブレイク”で見られる高い相互作用と創造性を、公式のミーティングの中で具現化することを目的としています。

オープン・スペース・テクノロジー(OST)の展開プロセス

(画像は弊社人材開発用語集より抜粋)

①インビテーション:事前準備

・コアチームを編成し、変革に向けたテーマを考えます。/招待状をメンバーと共に作ります。/関心のある関係者を集めるため招待状を出します。

②オープニング:OSTに関する説明

・参加者全員で、円になって座ります。/OSTの法則および原則を説明します。

③アジェンダの作成:情熱と責任を持つテーマの掲示

・自分が「情熱と責任」を持って話し合いたいテーマを掲げます。

④マーケットプレース:参加したいテーマ・時間・場所の決定

・掲げられているテーマ、セッションの時間、場所の調整、内容確認、参加の登録を行います。

⑤セッション:1時間半~2時間のダイアログを複数回実行

・テーマを出した人がセッションを運営します。/セッションに関心がない、貢献が出来ない時には、他のセッションに自由に移動することができます。/セッションの内容を即時に壁新聞として掲示します。

⑥収束・アクションプラン:1時間半~2時間のダイアログの実行

・議事録から、今取り組むべきテーマを選びます。/アクションプランを生み出します。/全体を通じて学んだこと、感じたことを共有します。

オープン・スペースにおける4つの原則

①参加してきた人は誰であれ適切な人

何事においても偉大な結果を出す人は、その問題を大切だと考え、自ら進んで参加してくる人です。

②いつ始まろうと、その時が正しい時

ここにいる間は、いつ出現するかもしれない偉大なアイデアや新しい洞察に注意を持って集中していることが求められます。

③何が起ころうとも、それが起こりうるべき唯一のこと

こうだったかもしれない、こうあるべきだったという過去に囚われた考えは捨てて、今現在起こっていること、可能な点に全神経を注ぐことが大切です。

④いつ終わろうと、終わった時が終わり

参加者は、どの課題にも自由に参加することが出来ます。さらに、自分が貢献できないと感じる時や学びがないと感じる時には、別の場へ自由に移動することが出来ます。恣意的に決めたスケジュールに従うのではなく、仕事をやり遂げることがより重要となってくるのです。

用語解説一覧

【経営層向け】
・学習する組織とは?
https://weport.jp/column/learningorganization/
・ミッションステートメントとは?
https://weport.jp/column/mission/
・組織の成功循環モデルとは?
https://weport.jp/column/coretheoryofsuccess/
・組織の7Sとは?
https://weport.jp/column/sevens/
・トータルリワードとは?
https://weport.jp/column/totalreward/
・オープン・ブックマネジメントとは?
https://weport.jp/column/obm/
・コンフリクトマネジメントとは?
https://weport.jp/column/conflictmanagement/
・AQ:逆境指数とは?
https://weport.jp/column/aq/
・EQ:こころの知能指数とは?
https://weport.jp/column/eq/
・SQ:社会的知数とは?
https://weport.jp/column/sq/

【マネジャー向け】
・コンピテンシーとは?
https://weport.jp/column/competency/
・リーダーシップとは?
https://weport.jp/column/leadership/
・マインドセットとは?
https://weport.jp/column/mindset/
・OJTとは?
https://weport.jp/column/ojt/
・コーチングとは?
https://weport.jp/column/coaching/
・マズローの欲求5段階とは?
https://weport.jp/column/maslow/
・X理論、Y理論とは?
https://weport.jp/column/xy/
・モチベーション理論とは?
https://weport.jp/column/motivation/
・水平的(360度)評価とは?
https://weport.jp/column/suiheihyouka/
・ピグマリオン効果とは?
https://weport.jp/column/pygmalion/
・レシプロシティとは?
https://weport.jp/column/reciprocity/
・メラビアンの法則とは?
https://weport.jp/column/mefrabian/
・アンラーニングとは?
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【人事担当者向け】
・研修講師を評価するスキルとは?
https://weport.jp/column/kousicheck/
・キャリアラダーとは?
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・キャリアプラトーとは?
https://weport.jp/column/plato/
・キャリアドリフトとは?
https://weport.jp/column/drift/
・キャリアアンカーとは?
https://weport.jp/column/anker/
・感情労働とは?
https://weport.jp/column/emotionallabour/
・経験学習とは?
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・計画された偶発性理論とは?
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・交換留職
https://weport.jp/column/koukan/
・組織社会化とは?
https://weport.jp/column/socialpro/
・認知的徒弟制度とは?
https://weport.jp/column/cognitive-apprenticeship/
・職能給と職務給とは?
https://weport.jp/column/syokunoutosyokumu/
・ロールモデルとは?
https://weport.jp/column/rolemodel/
・ワークプレイスメントとは?
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・ARCSモデルとは?
https://weport.jp/column/arcs/
・インシデントプロセス法とは?
https://weport.jp/column/incident/
・エニアグラムとは?
https://weport.jp/column/enneagram/
・オープン・スペース・テクノロジーとは?
https://weport.jp/column/ost/
・ソーシャルラーニングとは?
https://weport.jp/column/sociallearning/
・ダイアログ・イン・ザ・ダークとは?
https://weport.jp/column/dialogueinthedark/