キャリアラダーとは!?キャリアの階段のリアルな登り方!!

2020.11.26

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キャリアラダーとは

キャリアラダーとは、英語の「Career(キャリア)」と「Ladder(はしご)」を組み合わせた言葉であり、キャリアアップのためのはしごという意味です。

従業員がまるではしごを上るかのように着実にキャリアアップが出来るよう構築された、人事制度や能力開発の機会またその仕組みを示しています。仕事を難易度や賃金に応じて複数の職階に細分化し、それぞれの職務内容や必要なスキルを明確にした上で、下位職から上位職へ着実に移行できるキャリア向上の道筋を提供し、またその段階の都度、各従業員の仕事内容やスキル、目標を定義して、キャリアアップにつなげることを目指します。

キャリアラダーと労働市場

キャリアラダー創出の必要性がいち早く論議されたのは、米国でした。かつての米国は、「アメリカンドリーム」という言葉どおり、社会の最下層で働く人々でも努力と才覚次第で、上昇志向の道が開ける社会でした。けれども、1980年代の新自由主義の台頭に伴って労働市場が激変し、雇用や賃金の二極化が進んでゆきます。いわゆる富裕層と貧困層と称されるものです。高度教育や知的労働・国際的労働が求められる「ハイエンド雇用」と、さほど高度な教育を要しない労働集約型の国内向け「ローエンド雇用」が増加します。

一方で、IT化や雇用の海外移転により、それらの中間に位置する「中間層」は大幅に減少したのです。労働市場におけるピラミッド型の職業構造は、中間部分の細い“画びょう型”へと変容してゆきます。スキルの乏しい労働者が、より賃金のいい仕事を目指そうとしても、上昇するためのラダーがなくなってしまったのです。その結果、彼らの多くは「デッドエンド・ジョブ(dead-end jobs)」(dead endは“袋小路”の意)と呼ばれる、未来の見えない低賃金の非正規労働にはまり、貧困から脱け出せなくなってしまいました。これにより、格差の固定化が急速に進行していきました。

上述の通り、先細っていた中間層に、スキルやノウハウを身に着けさせて、労働者が全体的に上昇する仕組みを作ることが喫緊の課題となり、こうした状況を打開するため、アメリカでは何十ものキャリアラダー・プログラムが立ち上げられました。企業の側から見ても、「ローエンド雇用」の人材は短期離職率が高いため、定着を促す施策としてもキャリアラダーは有効に活用されたのです。

日本においても同様にキャリアラダーが求められます。『キャリアラダーとは何か』の共訳者の一人である京都女子大学の筒井美紀准教授は、同書の前書きにこう記しています。「将来につながるまともな仕事(decent work)を、いかにして創出、再創出するのか。創出・再創出のみならず、いかにして拡大し維持するのか――とりわけ、とびきり高い学歴もスキルもなく、特別なコネもないような普通の人々のために。“いつクビになるか分からない雇用(precarious employment)”の不安が心によぎる、普通の人々のために。いま日本はこの問いを、理論的にも実践的にも解かねばならない」

キャリアラダーと企業

日本では外食・小売・流通業を中心に、各企業が若年の非正規従業員を正規雇用に切り替えてキャリアアップへの道を開くなど、企業単位でキャリアラダーを導入するケースが増えています。

その先駆者となったのはアパレル業界のGAPだと言われています。GAPでは、本社スタッフを除いて正社員の新卒採用は行っていません。マネジャー=正社員の多くは、時給契約の非正規雇用(同社ではセールス・アソシエイトと呼ぶ)からスタートし、経験とスキルを身に付けながら職階を昇ってゆき、キャリアを積み重ねていくシステムを整備しています。そこには、正社員へのキャリアラダーを意識させることで、非正規従業員のモチベーションを高めつつ、優秀な正社員も確保しようという狙いが伺えるのです。

キャリアラダーのメリットとは

キャリアラダーを創出するメリットは、大きく3つに集約されます。

  • 将来のキャリアイメージを明確に出来る

組織内の現職位からキャリアアップする方法が明確にわかり、その為のモチベーションが向上します。

  • スキルの過不足を発見できる

職位ごとに求められる能力が可視化されているため、各自どのスキルが十分なのか足りていないのか、明確に認識します。

  • 客観的評価が可能になること

上述の通り、各個人の課題が明確になるため、透明性の高い評価基準を構築することが出来ます。それにより、従業員にもキャリアアップのチャンスが与えられます。

 

用語解説一覧

【経営層向け】
・学習する組織とは?
https://weport.jp/column/learningorganization/
・ミッションステートメントとは?
https://weport.jp/column/mission/
・組織の成功循環モデルとは?
https://weport.jp/column/coretheoryofsuccess/
・組織の7Sとは?
https://weport.jp/column/sevens/
・トータルリワードとは?
https://weport.jp/column/totalreward/
・オープン・ブックマネジメントとは?
https://weport.jp/column/obm/
・コンフリクトマネジメントとは?
https://weport.jp/column/conflictmanagement/
・AQ:逆境指数とは?
https://weport.jp/column/aq/
・EQ:こころの知能指数とは?
https://weport.jp/column/eq/
・SQ:社会的知数とは?
https://weport.jp/column/sq/

 

【マネジャー向け】
・コンピテンシーとは?
https://weport.jp/column/competency/
・リーダーシップとは?
https://weport.jp/column/leadership/
・マインドセットとは?
https://weport.jp/column/mindset/
・OJTとは?
https://weport.jp/column/ojt/
・コーチングとは?
https://weport.jp/column/coaching/
・マズローの欲求5段階とは?
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・X理論、Y理論とは?
https://weport.jp/column/xy/
・モチベーション理論とは?
https://weport.jp/column/motivation/
・水平的(360度)評価とは?
https://weport.jp/column/suiheihyouka/
・ピグマリオン効果とは?
https://weport.jp/column/pygmalion/
・レシプロシティとは?
https://weport.jp/column/reciprocity/
・メラビアンの法則とは?
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・アンラーニングとは?
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【人事担当者向け】
・研修講師を評価するスキルとは?
https://weport.jp/column/kousicheck/
・キャリアラダーとは?
https://weport.jp/column/rader/
・キャリアプラトーとは?
https://weport.jp/column/plato/
・キャリアドリフトとは?
https://weport.jp/column/drift/
・キャリアアンカーとは?
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・感情労働とは?
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・経験学習とは?
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・計画された偶発性理論とは?
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・認知的徒弟制度とは?
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