ソーシャルラーニングとは!?学習におけるつながりの大切さ!!

2021.01.19

「ソーシャルラーニング」とは

(画像は弊社人材開発用語集より抜粋)

「ソーシャルラーニング」とは、TwitterやFacebookなどのSNSや、ブログ、YouTube、Q&Aサイトといったソーシャルメディアを学びのツールとして活用する学習システムの総称です。教える側と教えられる側の役割を明確にして固定化した、いわゆる一方的な教育ではなく、参加者同士がネットワークを通じてインタラクティブに教え合い、お互いに学び合う形態を特徴としています。企業においては、一人ひとりの社員が組織の中で、あるいは組織を超えた人材同士が互いに知見をシェア(共有)することにより、イノベーションの創出やパフォーマンスの改善が促されます。

ソーシャルラーニングの成功事例

ソーシャルメディアがこの世に出現し、それが広く人々に普及してゆくに伴って、先進企業の多くがこれをマーケティングやコミュニケーションの新しい手法として導入したのは、ごく自然な成り行きと言えるでしょう。最近ではさらに、自社組織開発や人材育成にも役立つことがわかり、急成長を遂げているソーシャルメディアを教育・学習のツールとして活用するケースが非常に多くなってきています。つまり、「ソーシャルラーニング」という個人と組織の“学び合い”の仕組みを、競争力の源泉として成長を促そうとしている企業が増えているです。

特に“ソーシャル先進国”のアメリカでは、その成功事例がたくさん見られます。例えばグーグルでは、社員一人ひとりがイノベーションへの貢献者であることを求められ、全社員向けのイントラネット上で、新しい製品・サービスや会社の改善に関するアイデアを投稿できるような仕組みを構築しています。そして、世界中にいる同社所属の社員がそのページを閲覧し、意見を交わすことで、アイデアはより効率的にブラッシュアップされ、新製品の実現や新規事業立ち上げへと近づいてゆくのです。

またインテルでは、あるエンジニアが「社内にWikipediaのようなものがあればいいのではないだろうか」と提案しました。そこで実際にオープンソースのソフトウェアを使ってプラットフォームを作り始めたところ、他の社員にもその要望や動きが草の根的に広がって、最終的には、膨大な情報量の共有と活用を可能にする社内百科事典――「インテルペディア」が作成されたのです。

インフォーマルラーニング

職場での学習は、フォーマルラーニングとインフォーマルラーニングに大きく分けることができます。前者は、会社によって提供された研修プログラムやセミナーなどに参加し、専門のトレーナーによって作成された、正確な系統立てを行ったコンテンツを使用して、指導を受けるという学び方です。そのようなオフィシャルに行われる学習機会とは別に、何か分からないことが出てきた場合には同僚に聞いてみたり、先輩の業務遂行方法を自ら観察してみたり、あるいは休憩中に周囲の社員と仕事の内容ややり方についてディスカッションを行ったりといった、誰もが職場で日常的に行っている何気ない学びの習慣をインフォーマルラーニングと呼びます。前者が“上”から指示を受けて学ぶパターンが多いのに対して、後者では、自分自身が率先して学びたいから、もっと深く知りたいからといった因子が学習の動機づけとなります。

(画像は弊社人材開発用語集より抜粋)

ソーシャルラーニング=「どう学ぶか」

ソーシャルラーニングは、上記のインフォーマルラーニングの範ちゅうに属する学び方であり、とりわけ参加者全員が共有すること、及び参加者同士のコラボレーションを学習の前提としています。各自が課題やアイデアを自発的に持ち寄って、お互いに評価を行ったり意見を交わし刺激し合ったりするなどといった、ネットワーク上で“わいわいがやがや”の話し合いをしながら学んでいく手法です。その過程で、個人は自立性や自律性、また相手の個性を尊重する柔軟性といったスキルを養ってゆき、コラボレーションに欠かせないソーシャルスキルやコミュニケーションスキルを身に付けていくのです。

言い換えれば、ソーシャルラーニングでは、「何を学ぶか」よりも「どう学ぶか」が大切になってくるのです。従来の教育のようにコンテンツの内容ばかりが問われるのではなく、それを理解するための学びの過程そのものに価値を置いた学び方だと言えるでしょう。スマートフォンの普及やサービスの拡大により、全世界的に行われる学習者同士のコミュニケーションが、モチベーション向上や情報交換につながる様々な可能性が今後も期待されます。

用語解説一覧

【経営層向け】
・学習する組織とは?
https://weport.jp/column/learningorganization/
・ミッションステートメントとは?
https://weport.jp/column/mission/
・組織の成功循環モデルとは?
https://weport.jp/column/coretheoryofsuccess/
・組織の7Sとは?
https://weport.jp/column/sevens/
・トータルリワードとは?
https://weport.jp/column/totalreward/
・オープン・ブックマネジメントとは?
https://weport.jp/column/obm/
・コンフリクトマネジメントとは?
https://weport.jp/column/conflictmanagement/
・AQ:逆境指数とは?
https://weport.jp/column/aq/
・EQ:こころの知能指数とは?
https://weport.jp/column/eq/
・SQ:社会的知数とは?
https://weport.jp/column/sq/

 

【マネジャー向け】
・コンピテンシーとは?
https://weport.jp/column/competency/
・リーダーシップとは?
https://weport.jp/column/leadership/
・マインドセットとは?
https://weport.jp/column/mindset/
・OJTとは?
https://weport.jp/column/ojt/
・コーチングとは?
https://weport.jp/column/coaching/
・マズローの欲求5段階とは?
https://weport.jp/column/maslow/
・X理論、Y理論とは?
https://weport.jp/column/xy/
・モチベーション理論とは?
https://weport.jp/column/motivation/
・水平的(360度)評価とは?
https://weport.jp/column/suiheihyouka/
・ピグマリオン効果とは?
https://weport.jp/column/pygmalion/
・レシプロシティとは?
https://weport.jp/column/reciprocity/
・メラビアンの法則とは?
https://weport.jp/column/mefrabian/
・アンラーニングとは?
https://weport.jp/column/unlearning/

 

【人事担当者向け】
・研修講師を評価するスキルとは?
https://weport.jp/column/kousicheck/
・キャリアラダーとは?
https://weport.jp/column/rader/
・キャリアプラトーとは?
https://weport.jp/column/plato/
・キャリアドリフトとは?
https://weport.jp/column/drift/
・キャリアアンカーとは?
https://weport.jp/column/anker/
・感情労働とは?
https://weport.jp/column/emotionallabour/
・経験学習とは?
https://weport.jp/column/kolb/
・計画された偶発性理論とは?
https://weport.jp/column/planned-happenstance-theory/
・交換留職
https://weport.jp/column/koukan/
・組織社会化とは?
https://weport.jp/column/socialpro/
・認知的徒弟制度とは?
https://weport.jp/column/cognitive-apprenticeship/
・職能給と職務給とは?
https://weport.jp/column/syokunoutosyokumu/
・ロールモデルとは?
https://weport.jp/column/rolemodel/
・ワークプレイスメントとは?
https://weport.jp/column/workplacement/
・ARCSモデルとは?
https://weport.jp/column/arcs/
・インシデントプロセス法とは?
https://weport.jp/column/incident/
・エニアグラムとは?
https://weport.jp/column/enneagram/
・オープン・スペース・テクノロジーとは?
https://weport.jp/column/ost/
・ソーシャルラーニングとは?
https://weport.jp/column/sociallearning/
・ダイアログ・イン・ザ・ダークとは?
https://weport.jp/column/dialogueinthedark/