マネジメントシステム論とは!?あなたのリーダーシップスタイルがわかる!

2020.11.13

マネジメント・システム論とは

(画像は弊社人材開発用語集より抜粋)

マネジメント・システム論は、リーダーシップ行動論の1つであり、ミシガン研究とも呼ばれています。

ミシガン大学の教授で行動科学者のレンシス・リッカート(R.Likert)が、1961年に提唱した理論が「マネジメント・システム論」であり、現場監督者を対象に行った研究結果によって確立されました。リッカートは組織を、管理者の下でメンバーが相互作用する「システム」として捉え、この研究で「業績」と「モチベーション」の関係性を理論化しました。

マネジメント・システム論では、リーダーシップに関わる管理システム(組織の形)を、4つのパターンに分類されます。

(画像は弊社人材開発用語集より抜粋)

システム1 権威主義・専制型

権威主義・専制型(システム1)は、徹底した強い課題志向・成果主義です。
・権威主義的管理方法によって、リーダーは部下を信頼せず、一切の意思決定権を与えない。
・部下は、恐怖・脅迫・懲罰によって働かされ、時々与えられる報酬で何とか生活している。
・リーダーと部下の相互作用は稀で、統制機能はトップに集約されている。
→ 徹底したトップダウンのスタイルといえるでしょう。

システム2 温情・専制型

温情・専制型(システム2)は、課題志向 > 人間関係志向 の型です。
・リーダーは部下をある程度信頼するが、主人が召使に対するような恩着せがましいやり方を取る。
・予め決められた範囲のみの決定は部下のレベルでも出来るが、多くの意思決定・目標設定はトップが行う。
・報酬・懲罰・罰のほのめかしによって、部下の動機付けを行う。
・リーダーと部下の相互関係はあるが、恩着せがましく、部下の側には恐怖と警戒心がみられる。
→ 基本的な指示系統はトップダウンだが、システム1に比べると優しいレベルといえるでしょう。

システム3 参画協調型

参画協調型(システム3)とは、課題志向 = 人間関係志向 の型です。
・リーダーは部下に対し、全面的ではないにしろかなり信頼しており、基本的方針や全般的決定権はトップにあるけれども、個別問題は部下に権限委譲される。
・コミュニケーションは相互的に行われ、動機付けは報償と時により懲罰、ある程度の参画が用いられる。
・相互作用も頻繁になり、統制機能のかなりの部分が部下に委譲されている。
→ 課題・成果主義と人間関係重視の中間的なスタイル。また、「業績」と「モチベーション」のバランスが取れたスタイルといえるでしょう。

システム4 民主主義型とは

システム4 民主主義型とは、課題志向 < 人間関係志向 の型です。
・リーダーは部下を全面的に信頼し、意思決定は広く組織全体で行われるが、バラバラにならず統合されており、コミュニケーションは上下のみならず同僚間でも行われる。
・部下は全面的に参画が認められ、動機付けられ、広範にわたる相互作用が確保される。
・評価と統制は全ての階層で完全に行われる。
→ 「業績」が最も認められるシステムといえるでしょう。

高い生産性を上げる組織とは

ミシガン研究によれば、実証実験の結果、上記の4つのうち最も高い業績を達成したのはシステム4の民主主義型とされています。その理由は、リーダーとメンバーの信頼関係が醸成され、組織全体のモチベーションが高くなるからです。

高い生産性をあげる組織は、リーダーが部下の人間的側面と目標指向的な作業チーム形成を図る「部下中心型」=関係志向のマネジメントを行い、一方、生産性の低い組織は、リーダーが常に生産を上げるために圧力をかけようとする「仕事中心型」=課題志向のマネジメントを行っている傾向があります。組織を円滑に機能させるためには、メンバー一人一人がそれぞれの役割を十分に発揮して実力を出せるよう、リーダーが誘導してあげることが理想的です。

あくまで「マネジメント・システム論」はあくまでリーダーシップ行動論のうちの1種類です。一つだけの理論にとらわれることなく、多面的な視点でバランス良く検討し、自社の組織に合った型や理論を取り入れてゆくことが大切になります。

用語解説一覧

【経営層向け】
・学習する組織とは?
https://weport.jp/column/learningorganization/
・ミッションステートメントとは?
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・組織の成功循環モデルとは?
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https://weport.jp/column/sevens/
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・オープン・ブックマネジメントとは?
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【マネジャー向け】
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【人事担当者向け】
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