2020.12.08
「KPI」とは
(画像は弊社人材開発用語集より抜粋)
「KPI」とは、Key Performance Indicatorの略であり、一般的に「重要業績評価指標」と呼ばれています。組織の目標達成(企業全体目標やビジネス戦略等)のために重要な業績評価の指標を意味し、業務プロセスが適切に実施されているかどうか、その達成状況を定点観測(モニタリング)することによって、目標達成に向けた組織のパフォーマンス動向の把握が可能になります。一方で、達成目標からかけ離れたギャップが生じた場合には、組織行動が当初想定していた方向に進んでいないことを示しているため、その企業活動そのものの修正が必要になってきます。
経営戦略の実行にあたっては、まず「目標」を明確にし、次にその目標を達成するための具体的な「手段」を策定し、その手段が目標に向けてきちんと遂行されているかどうかを定量的に測定するための「指標」を設定します。ですので、組織の「目標」を達成するためには、正しい「指標」を設定することが不可欠であり、この指標となるのが「KPI」ともう一つ、「KGI」(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)があります。
KPIとKGIの関連性
(画像は弊社人材開発用語集より抜粋)
KGIとは、「何をもって成果とするか」を定量的に定めたものであり、業務プロセスにおける目標(ゴール)とそれが達成されたか否かを判断する評価基準のことです。それに対してKPIは、プロセスの実施状況を計測するために、組織や個人のパフォーマンスの度合いを定量的に表す指標を意味しています。KGIの達成に向けてプロセスが適切に実施されているかどうかを中間的に計測するのがKPIであり、二つの指標は対で利用されることが多くあります。KPI測定の結果、当初設定されたKGIから乖離したギャップが生じた場合は、プロセスにおける組織・個人の行動が想定していた方向やレベルに向かっていないことを示し、中間的指標であるKPIの分析・改善、あるいは設定の見直しが必要となります。
KPIとKGIの具体的な分類例は、以下の通りになります。
KPI指標:
例)人材開発部門「社内提案件数」「教育研修時間」等
→ 日次・週次など一定期間ごとに実績数値でモニタリングし、プロセスの進捗状況を管理。
KGI指標:
例)「売上高」「営業利益率」「EVA(経済的付加価値)」
→ 組織全体における財務指標を見る
KPI設定における課題
苦労してKPIを設定したものの、KPIがあまり意識されないまま、組織内で行動が起こされてしまうことがあります。これは、KPI自体が複雑すぎてわかりづらかったり、KPIと戦略との因果関係が希薄である場合や、KPIに対する納得感が乏しかったり、あるいはそもそもKPIの趣旨が十便に徹底されていない場合などが原因となっているのが多く見られます。
このような状況に陥らないためには、設定するKPIの数を増やし過ぎないことが肝要となってきます。一組織・個人につき3~5個の指標が適当といわれ、最大でも10個程度に収めることです。それ以上になると、たいていの場合理解が行き届かなくなり、パフォーマンスに混乱をきたしかねません。
また、組織目標・戦略の変更やシフトに応じて、KPIも当然、柔軟に見直す必要が出てきます。ビジネス環境の変化や社員の成長とともに、目標との因果関係が薄れ、KPIが形骸化してしまうことも多く起こり得るからです。
従業員のKPIの理解促進のために、教育・研修プログラムを実施したり、KPI設定のプロセスに参加させたりすることは重要です。
悪いKPIの特徴
数が多すぎるKPI /戦略と乖離しているKPI/責務の軽減を作為的に意図したKPI/本来あるべきKPIがない/相互関係が整理されていない、孤立したKPI/測定できないKPI/達成成果が明確に表れないKPI/アクションプランが設定されていないKPI/設定しただけで実際に測定されていないKPI
用語解説一覧
【経営層向け】
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