2021.01.07
コンプライアンスとは
(画像は弊社人材開発用語集より抜粋)
コンプライアンスとは、コーポレートガバナンス(企業統治:企業の経営を監視・規律すること、又はその仕組み)の基本原理の一つであり、企業においては法律や規則といったごく基本的なルールに従って経営を行うことを指しています。日本語では「法令遵守」と訳されることが多いですが、法律や規則といった法令を守ることだけを指すのではなく、企業倫理・道徳、社会的・社内規範なども守る、広義の意味で「コンプライアンス」を使用することが一般的になっています。
コンプライアンスの重要性
企業の法令違反による信頼の失墜や背信的な不祥事に対し、再発防止に向けて、法律の厳罰化や規制の強化などといったコンプライアンス体制の強化が行われてきました。これは、事業の存続に大きな影響を与える法令違反の事例が繰り返されてきたためです。そこにマスメディアや消費者、投資家が批判を行ったことも、コンプライアンスへの注目を集めました。
一方、企業経営にコンプライアンスが求められる本質的な理由は、リスク統制を確実に行う事によって健全かつ効率的な企業経営を実現し、企業価値を高めることがグローバルスタンダードで求められるようになったからだと考えられています。企業も社会を構成する一員として、商法(会社法)だけでなく、民法・刑法・労働法といった各種一般法や各種業法をすべて遵守し、従業員一同にもそれを徹底させなければならないのです。
(画像は弊社人材開発用語集より抜粋)
コンプライアンス違反のリスク
コンプライアンス違反をした企業は、損害賠償訴訟(取締役の責任については株主代表訴訟)などによる法的責任や、信用失墜により売上低下等の社会的責任を負わなければならなくなります。例えば、食品の偽装表示・不正会計・不正入札・クレームの隠蔽(いんぺい)・盗聴事件などといった企業の犯す企業犯罪が、コンプライアンス違反に相当します。
また、違反にまで至らなくとも、企業経営者がコンプライアンスに対して真剣に取り組まない場合、あらゆるリスクが想定されます。大きく分けると下記の3つがあります。
1.経営の情報開示が厳格に求められる現在、コンプライアンス体制を構築しない企業はリスクの高い企業と認識され、消費者、取引先、投資家から敬遠されます。
2.企業内で抱える課題・問題に取り組まない企業では、社員のモラルやモチベーションが低下し、望まれる人材や適切な取引先の維持・確保が困難になります。
3.日常的にコンプライアンス違反のリスクを発見しようとせず、またその是正にも努めていない企業は、重大なミスや不祥事が発生した際の対応が遅れ、より大きな悪影響を受ける事態に陥る可能性が非常に高くなります。
上記3点のリスクを最小限に抑えるためにも、コンプライアンスを経営判断の中核に据え、また業務プロセス遂行時にも最重要視することが必要不可欠です。中・長期的な観点で見ると、たゆまず改善と革新を続けることで、優良企業として生き残ってゆく糧となるのです。
コンプライアンスオフィサー
社内に法令遵守のための責任者を置く場合、この人物をコンプライアンスオフィサー(法令遵守責任者)と呼びます。コンプライアンスオフィサーは、法令や社会的通念が守られているかどうか内部統制を図る上で重要な立ち位置です。法令に関する専門的な知識は当然のこと、さらに企業理念や社会常識等を理解して管理を行い、違反があった際には厳重に対処し処分を遂行する責務を担っています。最高経営責任者のことを CEO(chief executive officer)と呼ぶのと同様、最高遵法責任者のことを CCO(chief compliance officer)と呼ぶ会社もあります。また、この責任者の下に設置される組織のことを、コンプライアンス委員会と呼びます。
コンプライアンスプログラム
企業の中で、法令や倫理を遵守する仕組みを作る場合、その仕組み自体のことをコンプライアンスプログラムと言います。多くの場合、「遵守のためのガイドラインの作成」「教育・啓蒙プログラムの実施」「問題発生時の対応マニュアルの作成」の三つの分野で構成されています。活動の詳細としては、まず役員が企業の方針や体制、計画を示し、それを管理職や一般の従業員に伝達した上で教育を行います。そして、日常業務での監視および問題の報告や是正を継続しながら、一連の管理システムが有効に作用しているかどうか定期的に点検するという作業を繰り返します。さらに、事件や事故といった緊急事態が発生したばあい、その影響を最小限に食い止めるための適切な経営判断・実行が求められます。
用語解説一覧
【経営層向け】
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